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校長ブログ:卒業生に贈る餞の言葉

校長ブログ

四三九名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。コロナウイルスの蔓延を回避するため、残念ながら卒業式は中止となってしまいました。日本がおかれている状況を鑑みると仕方ない状況だと思いますが、これから皆さんが輝くためのばねにしてほしいと思っています。さて、皆さんは入学以来、この三年間、毎日の授業をはじめ、学校行事、部活動、そして進路実現等に取り組み、心身ともに大きく成長し、いよいよ卒業となります。これまでのたゆまぬ努力と精神に対し、深い敬意を表するとともに、心からお祝い申し上げます。皆さんの輝かしい門出にあたり、私から三つのことを伝えたいと思います。

一つ目は、「視野を広げる挑戦をしてほしい」ということです。本校では、平成24年の創立60周年を機に「志教育」をスタートしました。進路などのキャリアプログラム、社会人としての知識技能を身につけるスタディプログラム、生活面のモラルプログラム、という三つのプログラムCSMプログラムを相互に関連して学んできました。人の生きる力は志にあります。こんな仕事がしたい。こんな人間になりたい。そういう志があるから、人は強く、そして気高く生きられるのだと思います。そして、その志の実現のためには、自ら学ぶ姿勢が不可欠です。ぜひ周囲のあらゆる人を師と仰ぎ、謙虚に学び、志の実現を目指してください。著名な小説家の城山三郎氏の言葉に「背伸びして視野を広げているうち、背が伸びてしまうこともあり得る。それが人生の面白さである。」という言葉があります。高校を卒業すると周辺環境も変わり、世界が広がると思います。様々な考えをもつ友人や、留学生と知り合うこともあるでしょう。アルバイトをすることもあるでしょう。新しいスポーツや海外ボランティアをしようという人もいるでしょう。ぜひ様々なことに挑戦し、積極的に視野を広げてみてください。視野を広げることによって、自分の中に新しい考えも出てくると思います。自分にとっては挑戦でも、行うことによって、経験を積むことができます。経験を積むことによって新しい自分になり、一歩先に成長することができます。

二つ目は、「感謝と思いやりの心を忘れないでほしい」ということです。人は自らの努力と共に、それを支え、励ましてくれる多くの人の存在や環境を理解し、そのおかげで自分自身が生きていると思います。人は一人で生きているわけではありません。感謝と思いやりの心を持って人に接する、そんな姿勢をいつまでも持ち続けてください。そして卒業生の皆さん、今日家に帰ったら、皆さんのご両親に「ありがとう」とぜひ言ってください。

三つ目は、「社会の一員としての自覚と責任を持ち、社会に貢献してほしい」ということです。人々の価値観が多様化し、倫理観や社会的な使命感の喪失が指摘される現代であるからこそ、社会の一員としての自覚と責任をしっかりと持ち、今、自分にできることは何かを問い、できることから行ってみても良いのではないでしょうか。

以上、三点申し上げましたが、長い人生には、楽しいことばかりではなく、困難に直面しなければならない時が必ず来ます。時にはくじけそうになることもあるかもしれませんが、自分の弱点を克服しつつ、強みを最大限伸ばしてほしいと思います。皆さんと同じ年であるサッカーの久保建英選手は小学生時代からスペインに渡り活躍し、その後もプロ選手として、FC東京やレアルマドリードなどで活躍されている人物です。久保選手は小学生時代からチャレンジをし続け、成功を収めています。チャレンジしないことには成功はありません。卒業生の皆さんも本校の建学精神である「行うことによって学ぶ」の精神で挑戦していってほしいと思います。

終わりになりましたが、卒業生の保護者の皆様、お子様のご卒業誠におめでとうございます。三年間人知れぬご苦労もおありだったかと存じますが、お子様は立派に成長されました。また、本校発展のためにご理解ご協力を賜り、誠にありがとうございました。

今日巣立つ卒業生を温かく見守り励ましてくださった全ての皆様に感謝申し上げますとともに、卒業生の前途に幸多からんことを祈念し、卒業生に贈る餞の言葉といたします。

令和二年三月五日

武蔵越生高等学校長 一川 智宏