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3月卒業式校長式辞より

校長ブログ

 冬の寒さに耐えていた梅の花も、やっとその出番が回ってきたかのように馥郁(ふくいく)とした香りを、この越生の地に漂わせ春の訪れが感じられる今日の佳き日に、PTA会長 小峰誠様をはじめ、多くの保護者の皆様のご臨席を賜り、武蔵越生高等学校第五十五回卒業証書授与式が挙行できますことは、卒業生はもちろんのこと、私たち教職員、在校生にとりましても、この上ない喜びでございます。ご臨席賜りました皆様に心から御礼を申し上げます。今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止の為、学校行事や公式試合の縮小や中止がありました。学校の対応としても不十分な部分がございましたら、この場を借りてお詫び申し上げます。
 さて、三三一名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんは入学以来、この三年間、毎日の授業をはじめ、学校行事、部活動、そして進路実現等に取り組み、心身ともに大きく成長し、いよいよ卒業となります。これまでのたゆまぬ努力と精神に対し、深い敬意を表するとともに、心からお祝い申し上げます。皆さんの輝かしい門出にあたり、私から三つのことを伝えたいと思います。
 一つ目は、「視野を広げる挑戦をしてほしい」ということです。本校では、平成24年の創立60周年を機に「志教育」をスタートしました。進路などのキャリアプログラム、社会人としての知識技能を身につけるスタディプログラム、生活面のモラルプログラム、という三つのプログラムCSMプログラムを相互に関連して学んできました。人の生きる力は志にあります。こんな仕事がしたい。こんな人間になりたい。そういう志があるから、人は強く、そして気高く生きられるのだと思います。そして、その志の実現のためには、自ら学ぶ姿勢が不可欠です。ぜひ周囲のあらゆる人を師と仰ぎ、謙虚に学び、志の実現を目指してください。著名な小説家の城山三郎氏の言葉に「背伸びして視野を広げているうち、背が伸びてしまうこともあり得る。それが人生の面白さである。」という言葉があります。高校を卒業すると周辺環境も変わり、世界が広がると思います。様々な考えをもつ友人や、留学生と知り合うこともあるでしょう。アルバイトをすることもあるでしょう。新しい取り組みをしようという人もいるでしょう。ぜひ様々なことに挑戦し、積極的に視野を広げてみてください。視野を広げることによって、自分の中に新しい考えも出てくると思います。自分にとっては挑戦でも、行うことによって、経験を積むことができます。経験を積むことによって新しい自分になり、一歩先に成長することができます。
 二つ目は、「感謝と思いやりの心を忘れないでほしい」ということです。人は自らの努力と共に、それを支え、励ましてくれる多くの人の存在や環境を理解し、そのおかげで自分自身が生きていると思います。人は一人で生きているわけではありません。感謝と思いやりの心を持って人に接する、そんな姿勢をいつまでも持ち続けてください。そして卒業生の皆さん、今日家に帰ったら、皆さんのご両親に「ありがとう」とぜひ言ってください。
 三つ目は、「社会の一員としての自覚と責任を持ち、社会に貢献してほしい」ということです。コロナ禍の中で生まれた新しいサービスがあります。おそらく、何ができるのか考え、絞り出されたことだと思います。社会の一員としての自覚と責任をしっかりと持ち、今、自分にできることは何かを問い、できることから行ってみても良いのではないでしょうか。
 以上、三点申し上げましたが、長い人生には、楽しいことばかりではなく、困難に直面しなければならない時が必ず来ます。時にはくじけそうになることもあるかもしれませんが、自分の弱点を克服しつつ、強みを最大限伸ばしてほしいと思います。
 それから皆さんと同い年で活躍している有名人にはフィギュアスケートの紀平梨花選手がいらっしゃいます。2002年7月生まれで、4月からは大学進学するそうです。フィギュアスケート界では技術の進歩が進んでおり、長年最高難度で高得点の技はトリプルアクセルでしたが、さらに得点の高い4回転ジャンプに挑戦する選手が増えてきています。紀平選手は4回転ジャンプを成功させ、世界ランキング1位にまで登り詰め、2022年の北京オリンピックを目指しています。本校の建学精神は「行うことによって学ぶ」ですが、紀平選手のように挑戦し続けることで様々な可能性を模索して下さい。答えの無い問いに対して、最適解を絞り出してほしいと思います。
 終わりになりましたが、卒業生の保護者の皆様、お子様のご卒業誠におめでとうございます。三年間、人知れぬご苦労もおありだったかと存じますが、お子様は立派に成長されました。また、本校発展のためにご理解ご協力を賜り、誠にありがとうございました。今日巣立つ卒業生を温かく見守り励ましてくださった全ての皆様に感謝申し上げますとともに、卒業生の前途に幸多からんことを祈念し、式辞といたします。
令和三年三月五日    武蔵越生高等学校長   一川 智宏